派遣保育士として働く際に注意するべきポイントとは?
柔軟な働き方が出来ると話題の派遣保育士。近年の保育士不足問題から需要が高まりつつある派遣保育士ですが、園に雇用される形の保育士とは雇用形態や働き方などが異なります。そのため派遣保育士として働く際には注意するべきポイントがいくつかあります。この記事では派遣保育士として働くメリットやデメリットとあわせて紹介しています。
派遣保育士として働くメリット
保育園やこども園に勤務する保育士が退職する理由として「職場の人間関係」「給料が安い」「仕事量が多く労働時間が長い」などが多くあげられます。子どもと関わるのは好きなのに、こうした理由で保育現場から離れる保育士が多く存在します。派遣保育士はこうした問題をクリアできるため、好きな仕事を長く続けることができます。
人間関係のストレスが低減される
有期契約となるため契約期間満了をもって派遣先を変わるのが基本です。もし人間関係が上手くいかない派遣先であっても、期限付きならストレスも多少は低減されるのではないでしょうか。
給料が高い
パートの保育士と比べ給料が高くなる傾向があります。一般的にパートの保育士の時給が900〜1,200円程度なのに対し、派遣保育士の時給は1,200〜1,800円程度と高額になります。
勤務時間の希望が通りやすい
派遣保育士は派遣会社に雇われる形になります。「子どもが小さくて時短での勤務しかできない」「土日にシフトに入ることができない」などを人材派遣会社に相談することで、希望に沿った派遣先を紹介してもらうことができます。
有給などの休みが取りやすい
人材派遣会社ごとの労働条件によって異なりますが、ほとんどの場合、雇用契約から6ヶ月以上同じ職場に継続して勤務している・同じ人材派遣会社から就業している・全労働日の8割以上勤務しているなど一定の条件をクリアしていれば有給休暇が付与されます。
残業や持ち帰り業務がない
事務作業での残業や製作準備の持ち帰りが状態化している園は多数存在します。特に運動会や発表会などの行事が近くなるとその頻度は増します。派遣保育士の勤務時間は人材派遣会社によって管理されているため、園の都合で勤務時間などが変更することはありません。
困ったときには人材紹介会社のサポートがある
派遣先の労働環境に困った場合は人材紹介会社に相談することができます。勤務時間や働き方など、当初と違うことがあった場合は迷わず相談しましょう。
さまざまな経験を積むことで保育士として成長できる
派遣保育士が必要とされる場所は一般的な認可保育所や認定こども園だけではなく、小規模保育所や企業内保育所、院内保育所などさまざまです。個性的な保育理念に触れたり、多くの子どもや保育者と関わったりすることができます。その中で自分自身の保育観を見つめ直す機会があることは保育士として大きなメリットではないでしょうか。
派遣保育士として働くデメリット
数多くのメリットが存在する一方、デメリットもいくつか存在します。しかしこれらは派遣という働き方の特徴ともいえる部分です。人材派遣会社との労働契約書にきちんと目を通し、納得したうえで勤務することが重要です。
働きやすい環境でも契約期間が決まっていて長く働けない
「人間関係も良好」「保育理念と自身の保育観とが合っている」などの理由で気に入っていた派遣先でも、契約期間満了とともに離れなくてはならないのが基本です。
派遣切りにあう可能性がある
派遣先の経営状況などによっては契約途中で打ち切られる場合があります。これは派遣とういう立場上仕方がないことかもしれません。だたし、派遣会社から雇い止めになるわけではないので、新たな派遣先を紹介してもらうことになります。
契約期間終了までは辞めることが難しい
途中で「こんなはずではなかった」「辞めたい」と思ったとしても、基本的には個人的な理由で辞めることはできません。
派遣保育士として働く際に注意するべきポイント
派遣保育士として安心して働くためには、派遣会社に登録する前後の作業が大きなポイントになります。
派遣会社選びは慎重に
「求人数の数=保育園側からの信頼の証」といっても過言ではありません。数が多いほど自身の希望に沿った派遣先が見つかる可能性が高いので、派遣会社選びの際には必ずチェックしておきましょう。給与や福利厚生、サポート体制などは派遣会社によって違いがありますので、自身の働き方に合った派遣会社を選ぶ必要があります。
また、派遣会社を選ぶ際の目安として「優良派遣事業者の認定」がされているかというのもひとつのポイントになります。厚生労働省の政策に基づく制度で「法令の遵守」「派遣社員のキャリア形成支援やより良い労働環境の確保」「派遣先でのトラブル予防」など、派遣社員と派遣先の双方に安心できるサービスを提供できているかどうかについて、一定の基準を満たした派遣事業者を「優良派遣事業者」として認定しています。
ただ、認定を受けるためには3年以上の実績が必要なことや費用が発生することから申請自体をしていない派遣会社も多く存在します。そのため、あくまでも派遣会社選びの目安のひとつとして参考にしていただければと思います。
派遣保育士としてどのように働きたいかを明確にしておく
派遣会社に登録をする際には自身の希望を明確に伝える必要があります。実際に働き始めてから「思っていた働き方と違う」とならないように、派遣会社にしっかりと伝えましょう。また、派遣先の園長などにも自信の希望する働き方を伝えておくとより安心して働くことができます。
まとめ
派遣保育士としての働き方やそのメリット、デメリットをお伝えしました。保育士の派遣会社のニーズは年々増加傾向にあります。中には質の低い派遣会社も存在するので、自身の就職先を決めるという意味でも派遣会社選びは慎重になる必要があります。派遣保育士として働くうえで一番注意するべきポイントは派遣会社選びになるのかもしれませんね。好きな仕事を長く続けられる派遣保育士に興味がある方は、一度派遣会社に問い合わせをしてみてはどうでしょうか。